ひびにいる人たちを観察する

#09 natsuko nakamura

16:00/ 清澄白河駅A3出口で待ち合わせ。

清澄白河には1度、ギャラリーでの展示を見に来たことがあった。その展示はその夜に見る舞台までの空き時間に立ち寄ったのだったし、その舞台の出演者には夏子さんがいたのだった。その時はまだ知り合いでもなんでもなかったから、今から夏子さんと2人で会うのがなんだか不思議だ。夏子さんはこのことを知らないから、後でこの話をしようかな。A3出口から夏子さんが出てくるのが見えた。今日もとても暑い。夏子さんが顔を手で仰ぎながら、話す。

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暑いな、、、この辺はお家から、近いと言えば近いんだけど、あんまり来たことなくって。なんか、お店もいろいろあるっぽい。

どうしよう、なんか甘いの食べようかな。喋るの、なんか緊張しちゃって、、、。2人で、いっぱいしゃべるの大丈夫なの?平気な人?いいね。

例えば、初めて会う人ばかりの中にいたらさ、自分のことを説明しなきゃならないでしょ。いくつで、何してて、とか。そういうのが嫌になっちゃって、去年は。なんか、なんて説明していいかもうわかんないよ!!って感じになってて。でも今年はなぜか、いろいろ、昔会ってた人の集まりとかも行ってる。去年は学生の時の集まりとかも行けなかった。なんかもう行けない!って思ってたんだけど、今年はね、行ける感じ。大学の友達と会うと全然人生が違いすぎて。集まりに行っても全然話に入れない。楽しいから聞いてるんだけど、子供の受験の話とかだから、全然、全然ほんとにわからなくて!子供が生まれたくらいの時ならまだ話に入れたんだけどねー。ふふふ。仲良い子と2人だと別に普通に話はするんだけど、何人かってなると、、、共通の話題がね、、、わたしはあんまりないのかなー。去年はなんで嫌だったかって、なんかわかんないけどさ、すごい嫌だったんだよね。何でだろうね、わかんない。

もともとは、演技を始めた頃に、韓国映画を勧められて。で、見て、それですごく好きだなーと思って、だんだんドラマとかも見るようになって、そんな感じで最近はもうK-POPとかも見ちゃうから、ふふふ。で、韓国語も習ってるから。何だろうね、韓国行くと、、、なんでそんなに好きかな、って思う瞬間もあるんだけど、まあでも韓国語習ってから、聞こえてくることとか、わかることがどんどん増えてきて面白いとかもあるから、そういうのもあって、行ってる。

自分が信じられるところがあれば、全然いいなって思うんだけど。

大学は文学部で、、、。一応なんかね、1、2年の時は英文科じゃないのに英語のコースとかも行ってたんだけど、、、、もはや英語は全然になっちゃったんだけど、なんか変換しようとしても韓国語になっちゃって。外国語にしようと思ったらさ、もう韓国語しか出てこなくて。ヨガで、生徒さんでたまに外国の方が来るときがあって。そう、、、わたしヨガ教えてるんだけど。そういうときに、「イエス!」とか言えなくなっちゃって!韓国語で「ネー」って言うんだけど、「ネー」って出ちゃう感じになっちゃって。自分で笑っちゃう。論文は芥川龍之介とか、やってた。卒業論文が何万字だったかもう忘れちゃったな、しかも手書きにしたんだよ。やばくない?みんなパソコンだったけどなんか手書きにしたんだ、なんだったんだろう、パソコン持ってなかったのかな。なんだったんだろうな、大学生。

ヨガね、はじめたらいろいろ良くて。こころ的にも良くて、いいなってなって、これは、表現とかやめても幸せかもしれない、と思うくらい良くて、最初のインパクトが大きかったな。

基本ね、集まりはあんまり得意じゃないんだよ。緊張しちゃうね、すぐ。緊張しちゃうよね、いつも。毎日が緊張ばっかり。ヨガ教えるのも、前よりは全然だけど、慣れてはいない。だから人と会うのが、、、人が嫌いな訳じゃないけど、なんかね。ジャッジされる感じがある、人から。でも、それって、自分も人をジャッジしてるってことだったりもするんだろうね。

ヨガの仕事をしていて、悪い人に会うことってほぼないから、本当に嫌な思いをすることがない。落ち込むときとかある?

雑貨とかあんまり買わないし、ぬいぐるみも1個もない。ぬいぐるみ、ちっちゃい頃からあんまり欲しいと思わなくて。最近になって母親が、部屋可愛くしたりとかしたくないの?って言ってくるんだよ。花さ、定期便みたいなのがあるじゃん。あれやってみようかなとか思うけど、、、部屋を素敵にしようって思ってもさ、なかなか忙しかったりすると、すぐ散らかっちゃうから、花、飾ってる場合じゃないよね。普段の生活を素敵にするの、難しいね、、、。気に入ったものだけ置きたい気分になる時はあるけど、行動が追い付かないなー。ふふふ。

肉をあんまり食べたくなくなるとかはあるんだよね、実際に。やっぱり身体が重くなるっていうか、消化されるのに時間がかかるからか、あんまり食べたくないなっていう感じになってて、ほんとに食べてなかったんだけど、そしたら貧血がひどくなった気がする!ふふふ。それで、適度に食べ出す人も割といて、考えが1周して。そういうゆるい感じが、いまはいいかな。

部屋、全然気に入ってない。もはや。いま全然気に入ってないな―。

サンタさんはいないって子どものときから思ってた。親にはプレゼント買ってもらってたけど、サンタさんは信じたことない、、、たぶん、物心ついてから。シルバニアファミリーは、欲しかったかも。ああいう、家とか、ああいう感じが好きで。お雛様も欲しかったんだけど、ずーっと、「いいのを買ってあげるから待ってて」って言われ続けて、買ってもらえずに終わったんだけど。

サンタさんねえ、いないよって言われたのかな?ほんとに信じたことないから、なんで信じてるんだろう、なんで信じられたんだろうみんな、っていまでも思う。うらやましいけどね。

あんまり子どもっぽい記憶がない。子どもの時から大人みたいな記憶しかない、、、。

2、3歳の時の記憶で、なんかね、風船を膨らましたらダメだよって言われてたわけ、危ないから。だけど「これ膨らましたらダメなんだよね―」って宣言して、奥の部屋にばーって行って、すごい勢いで膨らましてたの。それを両親に見つかって、ものすごく怒られたの覚えてる、覚えてるというかそう言われたからそう思っているのか、わからないけど。

そうだ!渡さなきゃ。全然たいしたものじゃないんだけど。これ、パックです。すごくいいパックじゃないけど、わたしが好きなパックで、これは普通のシートパックと、これはクレイみたいな。泥っぽいやつなんだけど目の周りを避けて塗って20分くらい。これいいよ!なんか、つぶつぶが入っていて、海藻みたいな緑茶みたいなのが。よかったら。

わたしが、最近、人にあげるもので1番多いのはパック。なにかと。添え物みたいに。ふふふ。

 

19:30/清澄白河駅にて解散。

1週間のうち休みは土日しかないから確率的に当たり前なのだけど、昔は、なんでクリスマスはいつも平日なんだよ!と思っていた。25日の朝、サンタさんからのプレゼントの中身を確認するけどそれで遊ぶ間もなく小学校に行かなければならない!今すぐ遊びたいのに!という気持ちを何度も経験した記憶がある。25日の朝の教室では、サンタさんからのプレゼント内容の報告が飛び交うのと、それを聞いたサンタさんはいない派の主張のぶつかり合いも、毎年恒例だった。25日の朝の教室で、いない派の主張に参加することなく淡々と授業の準備をする子どもの頃の夏子さんを想像しながら、帰った。