ひびにいる人たちを観察する

#22 keiko yamanaka

14:30/彩の国さいたま芸術劇場

さんちゅうさんと合流する。丁度テーブルの席が空いたので、そこで話すことにする。さんちゅうさんは多分、全てのひびのメンバーの中でも飛び抜けて人と話せると思う。ひびのメンバーとしてはまだあまり時間を共有していないが既にそう思う。共感能力が高いのかな?なんというか、会話を続けさせてくれてるんだと思う。肯定とか、促しとか、そういう展開の引き出しがものすごくあるのかも。あと会話の反射神経みたいな、ほんとにパッと会話がはじまる感じ、それとは関係あるのか知らないけど運動神経もいいのかもしれない。
「なにを話そうかな〜」とさんちゅうさんは言う。そしてすぐ話題がはじまる、それにもう、感心してしまう。でもさんちゅうさんには当たり前なんだろうな。当たり前に、さんちゅうさんが、話す。

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オーディションって、吐きそうになる。出来るだけ受けたくない、でもまあそれも、楽しいんだけど、、、でも楽しいだけじゃないじゃない?受けに行ったら受からないといけないじゃない?でも、受けずに済むなら受けなくない。
縁起担ぎとかしてた。オーディションの時って大体着替えるから、今までオーディション受けたなかで、ナチュラルにいい感じに出来たな、っていう時に着ていた上下で行ったりとか。多分、年々、自分のスタンスが変わったかもしれない。今までは気持ちが先行し過ぎて空回りというか、冷静さを欠いてるというか、一生懸命過ぎて、なんか、よくよく考えたら一生懸命過ぎるのってうっとうしいなーって自分で思うし。もうちょっと、凪の状態って必要なのかなって思ったり。

願掛け、お伊勢さんに1回行ったことがあって。行ったことある?
それは、四日市の子が全部コーディネートしてくれて、わたしはそれについて行っただけなんだけど、本当に、別に霊感とかあるわけじゃないんだけど、その、伊勢神宮の橋を渡る手前、橋からの空気感が全然違って。ひゅっ、ってなって、そっからちょっと、神社にハマって。
その時多分、よくも悪くも病んでたかもしれないんだけど、でもそっから、遠征で来たときに気になるところがあったらお参り行って、とかしてたのね。いろいろ、オーディション前に芸事の神社に行ってみたり。
不謹慎かもしれないんだけど、神社にも、自分の好き嫌いがやっぱりあるんだなと思って、空気感。神社でも、ここは居心地がいいとかがあるんだな、というのは感じてて。やたらめったらお参りするのもどうかなって思うけど、やっぱりその、願掛けっていう意味では、縁結びのお礼に行ったりとか。お願いするんじゃなくてお礼に行くってような感覚に、なってきている。

1番お気に入りは、やっぱり伊勢神宮。印象が強かったのは、名古屋に熱田神宮ってあるんだけど、熱田神宮の、、、なんか、紫の幕があって、それがすごく好きだったな。お天気も良くて、空と紫がよかったんだろうな。本殿の横だったと思う。お参りするところじゃない、別棟みたいなところがなんか、ちょっと、そんな空気感で。あそこも好き。明治神宮。明治神宮の、緑がすごいあるのと、空間が多分好きで。

わたし空間が好きなんだと思う。神社もそうだけど美術館とか水族館とか好きで、ピンポイントで、ってよりかは全体で体験するもの、全体の空気感。空間が好き、多分。
初詣は行かないです。ふふふ。行かないけど、でも、三社参りはする。三社参りっていうのは、31日にお参りに行ったりはしないけど、極力3が日までに3つの神社を、まわるの。自分が住んでるところの、近いところ。だから大きい、すごいところには行かないんだけど、近いところを3ヵ所まわって、みたいな。こないだの3連休には京都に行ってて、もちろん、平安神宮にお参りをして、帰って来た。


いつもそんなことばっかりなの。ある意味計画性がないというか、ほんとに、閃きばっかり。直感タイプ。まあ直感が、あってるかどうかは、別として。無駄にポジティブなの。昔は、どちらかというとネガティブで、人と話すのも苦手だったし、なんか全然、悪い方に、悪い時のためにこうしておく、みたいな感じだったんだけど。ま、いっか、って感じられるようになった。それは先輩方にいろんな助言をもらったというか、くっ!ってなってた時期に、引きこもりまではないけどちょっと、鬱っぽくなったりしたことがあって、そういう時に先輩に、言葉をもらった。「あなたは自分のことだけ考えてるくらいがちょうどいい」って言われて、自分は周りを考え過ぎるんだな、ちょっと厚かましくなるのもいいのかな、って思えるようになって、今、こうかもしれない。
もしかしたら不快を与えてるかもしれないけど、その時はもう、その人は離れていくだろうし。
私、人見知りなんです。全然、こんな感じだから、そう言うと驚かれるんだけど、人にはパーソナルスペースってあるから、距離をすごく気にしている。人と喋れるっていうのと、人見知りとは別だと思う。喋れるっていうのは、相手がこう求めているんだろうなとかこういう話だったらこうだな、とか引き出しがあるだけであって、だから喋れるけど、それと人見知りは別だろうなと思うから、多分、「私人見知りなんです」って言って、「えっ」って言われるのは、そこを一緒にしている人なんだろうなと思う。
淡々と、自分の空間を持ちつつ、だんだん距離感を学んだかなと思う。あ、キツいなと思ったら、「もう帰りまーす」とか言って。でも人が見ている自分と自分の思っている自分のギャップがすごくあったりする、っていうのはすごく感じている。

親子の人見知りっていうか、親とあんまり話す感じが無くて。だからこそ、ピンポイントの思い出が強烈で。だからその、親子で恋愛相談とかしている友達がすごい羨ましくて。そういうことがなかなか出来なかったから。でもなんか、本当にすごい大失恋した時に、初めて母親の胸で泣いたときは、それはちょっとそれで、いい思い出。初めて泣いて、、うん、そうそう。
苦手なことってなんだろう、、、あ、絵を描くの、苦手。イラスト系の。すごいの、、、画伯と呼ばれてしまう感じ。写生は好きなんだけど、イラストを描いて、って言われると1番苦手かも。イラストが苦手なのは、大人になってから気づいた。子供の時は気が付かなかった。親戚の集まりの時とか、親戚の子供に何か描いてあげれたらいいんだろうけど、無理。だから、シールをあげてる。ぱっと出てこないけど、苦手なこと、いっぱいあると思う。

舞台の時に使う名前は、、、若いときに夜バイトしてたの。その時に付けられた名前がそれで。なんか、その頃割と、「え、日本人ですか?」みたいなことを、すごく言われてて。大人になってあんまり言われなくなったけど、20歳前後はすごい言われてて、それでそれっぽい名前。当時は今みたいに、まだメジャーじゃなかった名前だから、呼ばれるとちょっと恥ずかしかった。でも問答無用に名前が決まっちゃったから。仕事の時とプライベートが住み分けられて、いいときもあるけど。

この話をすると、「はあ、、」って言う人もいるんだろうけど、、、カラーの勉強をしていて。カラーセラピー的なとこから始まって、ソウルカラーっていうのをやってたりするんだけど。生年月日とかでシートを作るのね。で、この人と何でこうなんだろう、って関係性を紐解いてみたりとかする。占いじゃないから、こういうとこ、こうじゃないですか?って、そこに気づいてもらうだけのことなんだけど。セルフケアのために、勉強したんだと思う。自分で吐き出しをちゃんと作れるように、吐き出し方がわからないから。どうやって自分と上手く付き合っていこうかなって。

私のソウルカラーはね、黄色なんだけど元々ゴールド。あのね、ソウルカラーって厳密には4色で成り立ってるんだけど、1から9までの数字、数字と色でこう、していくから。説明難しいんだけど、、、9っていうゴールドの数字をもってて、ゴールドってソウルカラーにすると黄色なんだよね。で、めっちゃ単純な人なんだけど、ゴールドだからすごく難しく見られちゃう。いろいろやっちゃって、あえて難しい道を行っちゃう、っていうのをもっているカラー。カラーを勉強してこういう結果が出て、あ、なるほどなって、腑に落ちた。
なにかしら、縁がある人ってちゃんとその数字に出てたりとかするから、面白いよ。生年月日を教えてくれたら、今すぐ詳しいことはあれだけど、、、何色だね、ってくらいはわかるよ。やってみる?こんなことばっかり、いろいろやってる、、、。

占いとは違うから、、、えっとね、自由人だね。黄色さん。自由人で素直で単純。だけど、すごいネガティブになったときは1人になっちゃうというか、1匹狼になっちゃう。自由人っていうのは、なんだろう、、、型にはめられるのが嫌、苦手だから、割とこう、思ったまま動いたりとか、っていう方が楽。
もっと多分あるんだろうけど。今はこんな感じ。

あ、携帯のストラップの色は関係ないよ!違う違う!確かに黄色とゴールドだね、ふふふ。関係ないんだけど、でもその意識は持っちゃうかも。
こないだアクアリウム見に行って、これアクアリウムのやつなんだけど、丸って自分を優しくしてくれるような気がしてイラってした時に丸だと、なんか、こう、優しくほわっと出来るんじゃないかって、、、ストラップ、配色がドンピシャすぎたね。

ちょっと向こうむいてて下さい、、、はい、じゃあ、右手と左手どっち。

あ―!!右手いっちゃったか―、はい、じゃあこっちです。蛍光ペン。ピンクが1番見やすいから。普段から台本覚える時とかに、使っているやつです。
左手もあげるよ〜!ふふふ、集中力のアロマ。「study」って書いてある。「relax」とか、種類もいろいろあるよ。香りが嫌いだったらごめんね。塗るタイプで、コロコロがついてるから、どこでも自分の好きな場所に。香りと、音とか、五感のものが好きで。最近特にアロマとかそういうのがすごく癒される。香水つけるのは好きじゃないから、アロマがいい。これはたまたま昨日買ったの、自分が使うように。でも今日来るときに、あ、どっちか選んでもらおうと思って。でも両方あげます、もちろん。

 

16:00/彩の国さいたま芸術劇場で解散

さんちゅうさんと私は同じオーディションを受けたことがあったらしい。椅子に座ってのグループ面談みたいなもので、さんちゅうさんと私は同じグループだったらしく、私が当時上京したてでバイトもなにも決まっていなかった時期だったことをよく覚えていた。あと椅子から落ちそうなくらいの前のめりで話していたこともさんちゅうさんは覚えていた。それは2年目のひびのオーディションで、さんちゅうさんはその時は縁を作れなかったけど、3年目のひびとして、今ここにいる。今まで、さんちゅうさんはいわゆる芸名というやつでオーディションを受けていて、でも3年目のひびのオーディションの時は、ふと、本名で受けてみた。
さんちゅうさんの会話力がすごいのは、昔の、まだ周りを気にしすぎていたさんちゅうさんの努力の賜物が土台になっていると思うけど、周りを気にしすぎるあまり、消えてしまったさんちゅうさん独特の良さもあったかもしれない。だからさんちゅうさんだけを表す、さんちゅうさんしか使えない、本名で、ひびに参加していることがなんだか偶然ではない気がする。

今日のひびの集まりで、3年目のひびの公演ではミュージカルをすること、そしてひびの中でバンドをいくつか作ることなどが決まった。今日話した3人の3年目のメンバーの、ひびとしての初めての公演。
私は歌うのがとにかく苦手なのでボーカルだけはなにがなんでも避けたい、とバンド編成に不安を感じながら、帰った。